オリンピックイヤーのアメリカ大統領選挙の行方は?? [時事]
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オリンピックイヤーはアメリカ大統領選挙の年。アメリカ大統領選挙の候補者レースの続きです。
アイオワ州での党員集会、民主党サイドはヒラリー氏がサンダース氏をひとまず退け、
共和党サイドは、クルーズ氏が1番人気のトランプ氏を退けた格好になりましたね。
ちなみに3番手はマルコ・ルビオ氏。
とはいうものの、大統領選挙の長丁場は始まったばかり。
さてさて、民主党はヒラリー氏の勝利、共和党はクルーズ氏の勝利と報道がされていますが…
果たして、本当に勝利と言えるのか??
もしくは勝利したのは誰か??
ここがポイントになりそうです。
もう一つ興味深い事を言うと、今回はアイオワ州での党員集会でした。アイオワ州で負けた候補者が大統領選挙で勝つことは、歴史的殆どありません。
が、ひとまずそういうジンクス的な事は置いといて。今回は非常に読みにくい選挙レースとなりそうです。
今回テレビで話題になっているのは、予備選挙・党集会。大統領選挙の前に民主党・共和党がそれぞれの大統領候補を党内で決めるもの。
日本で言うと、総裁選に近いかもしれません。
そして各党の候補者を決める、今回の党員集会での選挙システムは分かりにくいのですが…
この選挙では各候補者を支持する議員さんへ投票するのです。結果によって、それぞれの支持する議員を獲得する。
なので、この選挙では獲得議員数を競い合う形になります。獲得議員数は比例代表制の選挙となります。
例えば、定員10人の議員数があったと仮定すると、30%を勝ち取ると3人の議員が獲得議員数となります。
民主党サイドは、早くも予想通りヒラリー氏とサンダース氏の一騎打ちとなりましたね。
しかしながら興味深いのは共和党サイド。
・1番手のクルーズ氏は8人
・2番手のトランプ氏は7人
・3番手のルビオ氏は7人
という結果になりました。
共和党サイドを少し掘り下げてみましょう。
ポイントの一つは共和党の支持層。ザックリ分けて3つ。
①ティーパーティ
②宗教右派
③もともと共和党主流派を支えてきた、保守層や富裕層
前回の日記の通り、トランプ氏は元々は共和党と民主党を行ったり来たりしており、共和党の主流派ではありません。
つまり、元々の支持基盤は不安定なワケです。(一部のティーパーティーを味方に付けたワケですが)
そう、支持基盤がしっかりとしているのはクルーズ氏とルビオ氏なのです。
そしてアイオワ州は、共和党の支持団体となっている一部のキリスト教福音派が多い地域です。
クルーズ氏はキリスト教福音派でもあり、クルーズ氏にとってお膝元。
それなのに、アイオワ州でトランプ氏と接戦を演じたのです。
勝利したのはクルーズ氏、と手放しで喜べない状態ですよね。
しかしながら、アイオワ選挙前から共和党主流派はトランプ氏を潰そうと動き出しました。
前述の通り、2009年までトランプ氏は民主党支持者。政策もポピュリズムなうえ、国際情勢的にも非常識な発言も多く賛否両論。
以前から共和党からも「トランプは民主党が共和党内に送り込んだ『刺客』ではないのか?」という意見も強かったのですね。
数年後に本当に刺客だったのか分かるのが楽しみではあります。
そういった背景から、個人的にトランプ氏も支持基盤が安定していないので長期戦は難しいと見ています。
私見では今回のアイオワ州結果を見ると、共和党サイドは長期戦となるとルビオ氏が有利ではないかと思います。
どういうワケかと言うと、クルーズ氏のこれまでの政治的言動と支持層の票割れ。
前の日記でも触れましたが、近年オバマケアを巡って共和党が政府の予算執行をさせない暴挙にでました。
その結果、公務員に給料が払えず役所が開けられない状態にまで陥りました。
それを率先して行ったのがクルーズ氏なのです。アメリカ国民はそれを目の当たりにしたワケで、ある程度の拒否反応があると言われているのですね。
その点、ルビオ氏は若くして下院議長も務めており信頼も厚い。そして、クルーズ氏とトランプ氏は支持層が重なっており、宗教保守とティーパーティの票が割れる可能性があるのですね。
ティーパーティ運動、宗教保守運動の前まで、共和党主流派は中道保守としての立場をとっていました。そういった意味ではルビオさんは主流派なのですね。
さらに両親はキューバからの経済難民で、いわゆるヒスパニック系アメリカ人です。共和党の泣き所のヒスパニック票が手に入る公算がある。
最後に民主党サイドに触れると、ヒラリー氏とサンダース氏の接戦となりましたが、結果的にはヒラリー氏が1番手となりましたね。
しかし民主党サイドも不透明な先行き。
ヒラリー氏は機密情報メール問題で信用を落としてはいますが
大統領候補としては70歳超えと年配なうえ、そもそもサンダース氏は民主党員ではありません。
それなのにコチラも接戦となったワケです。
ただし…サンダース氏は自分で自分を社会主義者だと言うように、公教育無償化などなど政策を掲げています。
しかし…サンダース氏は財源について一言も触れておらず、外交・安全保障についても明確ではないのですね…。
あれ?選挙前に政策ありきで財源がない、なんて数年前に日本で聞いたようなお話。
次の選挙はニューハンプシャー州。ニューハンプシャーはサンダース氏のお膝元。長丁場の選挙では勝った方にお金が集まり、有利に傾く傾向があります。もし、アウェイ気味のニューハンプシャーでヒラリー氏が勝つようなら、一気にヒラリー氏が行くかもしれません。
民主党サイドは最初の3つの選挙が潮目になりそうです。なんだかんだで民主党サイドはヒラリー氏が勝ちそうな予感。
長丁場のアメリカ大統領選挙を、私たちも長い目で見ていきましょう。
・・・サンダース氏のある発言を見ると、今回の選挙は共和党から大統領が出てきそう・・・。それは次の機会にでも。
※参考日記
・アメリカ大統領選挙:トランプ氏の行方は…米国政治を考える(http://forest-jiji-daiary.blog.so-net.ne.jp/2016-02-05)
・世界的な右派と左派とは? 安倍政権は右派?左派?(http://forest-jiji-daiary.blog.so-net.ne.jp/2015-11-23)
・国際政治:陰謀論ではないアメリカの思想の大元とは・・・アメリカ民主党と共和党の違い (http://forest-jiji-daiary.blog.so-net.ne.jp/2015-10-30)
・経済:米国型、新自由主義の根幹?・・・経済とキリスト教思想(http://forest-jiji-daiary.blog.so-net.ne.jp/2015-10-28)
・TPP メリット、デメリット色々噂されますが・・・経済の原則:比較優位の考え方(http://forest-jiji-daiary.blog.so-net.ne.jp/2015-07-16)
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共和党の大統領になりますかね
非白人の人口割合がどんどん高くなりますから、私はもう共和党の大統領はないのではと思っています。
by heroherosr (2016-02-10 17:43)
>>heroherosrさん
そこ重要ですよね。実は次回にでもその話題に触れようと思ってたネタでした…笑
そんなんですよね。確かにまだ有権者の三分の一がプロテスタント系宗教保守なのですが、ヒスパニック人口が増えて徐々にカトリックが増えています。
しばらく共和党政権で米国の運営がなされていたのが、これからは徐々に政権をとるのは難しくなってくるんじゃないかと思います。
by フォレスト (2016-02-10 21:16)