感動映画:ジムキャリー主演、マジェスティックから見える戦後米国の映画事情とレッドパージ・・・ [映画関連]
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今回、またまた映画シリーズを・・・
2001年の米国映画 「マジェスティック」 ジムキャリー主演、フランクダラボン監督
この映画は第二次世界大戦後の米国で起こった「赤狩り」。当時の情勢を舞台に描かれた映画です。
なかなか日本では「赤狩り」という言葉は耳にしませんが、世界で「赤」と自由主義の対立が起こっていました。
では「赤」とは何なのか?まずは映画のあらすじを観てみましょう。
● 「マジェスティック」のあらすじ
wikiより引用:
”1951年、アメリカはSecond Red Scare(第二次赤狩り)の真っただ中、ハリウッドの新進脚本家ピーター・アプルトン(ジム・キャリー)はB級映画の脚本を書きながら、"A級"の作品も手がけたいと奮闘していた。そんな時、学生時代に女の子の気を引くために共産主義/反戦集会(Food Not Bombs)に参加していたことが下院非米活動委員会の知るところとなり、共産主義者との疑いをかけられる。その結果、ピーターの新作公開は延期され、クレジットから名前がはずされ、スタジオとの契約も破棄されてしまった。
キャリアを絶たれてしまったピーターは、絶望から飲酒運転をしたうえ、道路に飛び出したオポッサムを避けようとして、橋から落ちてしまう。事故で記憶喪失になってしまった彼が流れ着いた町“ローソン”は、戦争で多くの若者を失い、残った人々の心に大きな傷を残していた。彼は第二次大戦で行方不明(MIA)になっていた町の英雄ルーク・トリンブルにそっくりであったため、町中の人々からルークと勘違いされ受け入れられてしまう。
ピーターは、町の復興の第一歩としてルークの映画館“マジェスティック”の再建に尽力するのであった。”
● 戦後の国際情勢と「赤」とは何か?
「赤」とは具体的には主に「共産主義」の事です。赤い旗はフランス革命で革命派が採用した旗で、それ以降は革命思想の象徴とされています。
数々のハイジャックやテロを行っていた「日本赤軍」は日本でも、とても有名だと思います。
イタリアの極左テロ組織「赤い旅団」も有名です。(なんと日本の元総理大臣K氏の在任中の特別顧問が、赤い旅団のメンバーだったという笑えない話が・・・)
特に当時ではソ連と中国、共産主義国の国旗の赤色からも感じ取れますが、当時の国際関係をみてみると・・・
・1949年 中国大陸での共産党(現中国)と国民党(現台湾)の内戦。
・1949年 東ドイツ(ソ連・共産主義側)、西ドイツ(米欧・民主主義側)の分裂。
・1950年 南北朝鮮戦争の勃発 南(現韓国)は国連、米欧。北(現北朝鮮)は中国、ソ連など。
などなど、冷戦の始まりが感じ取れますよね。
● 「赤狩り」とハリウッド・ブラックリスト
このように共産主義が大きくなっていき、共産主義への恐怖から「赤狩り」が起こっていったのです。(第二次赤狩り)
そして軍や行政だけでなく、ハリウッドの関係者も赤狩りの対象となっていきました。
そして有名なハリウッド・テン(ハリウッドの10人、またはハリウッドブラックリスト)と呼ばれる人を中心に映画関係者への弾圧が始まります。
実際、マジェスティックはこのハリウッド・テンから着想を得たとの事。
ちなみにハリウッド・テンの中に「ローマの休日」の脚本家ダルトン・トランボが入っています。(ローマの休日、自体が実はかなり政治的なお話)
こういった背景からハリウッドはしばらく息苦しく映画を作っていく事になります・・・(実際には第一次赤狩りからも始まってはいましたが)
しばらくして、報道関係者が政府からの弾圧に対して立ち上がります。
その背景はコレまたジョージクルーニー主演「グッドナイト、グッドラック」で映画化されています。
ちなみにジョージクルーニーのお父様は実際に報道関係者で、映画の中で細々と描かれてます。
では、当時の日本では赤狩りは無かったのでしょうか?
実は日本でもダグラス・マッカーサーを中心に赤狩りが起きていたのですね。
今の御年輩の方の中にも赤狩りで捕まえられた、という方も意外といるものです。
ちなみに介護関係の仕事をしている上で、そういう経験がある方が5人ほどいました…
私が生まれる前の出来事ですが、時代背景を踏まえると映画がより面白くなるかもしれませんね。
● 関連日記
・グリーンマイルの監督 フランク・ダラボンとハンガリー(http://forest-jiji-daiary.blog.so-net.ne.jp/2015-10-11)
・人気の感動映画「ショーシャンクの空に」・・・映画の持つメッセージ(http://forest-jiji-daiary.blog.so-net.ne.jp/2015-10-09)
・ハリウッドでユダヤ系がなぜ大きくなったのか? 米国映画史を考えてみると・・(http://forest-jiji-daiary.blog.so-net.ne.jp/2015-08-22)
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