インドネシアの歴史。衝撃的なその後… [時事]
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今週は政治と歴史のお話。
前回、日本とインドネシアの関わりから、インドネシア独立戦争について書きました。
その後、日本でもお馴染みデビィ夫人のご主人のスカルノ初代インドネシア大統領の誕生。
しかしインドネシアは、それから未だに議論のある歴史展開となっていきます…今回は独立後のインドネシアの歴史。
第二次世界大戦下のインドネシアの歴史を少しおさらいすると、
オランダの過酷な植民地支配を受けていたインドネシア。
日本は資源がないので東南アジアに侵攻、インドネシアも占領します。
インドネシアは日本の軍政になりましたが、日本は戦略的にもインドネシア独立を推進しており、割と良好な関係。
しかし、第二次世界大戦で日本は敗戦…
そこから奇しくも日本のインドネシア独立政策の影響を受けた、インドネシア独立の父・スカルノが連合国に向け独立宣言をします。
結果的にインドネシアは独立を勝ち取りました。しかし、インドネシアは難しい国際関係に翻弄されるのです・・・。
スカルノ大統領は1960年代に方向転換。
軍との権力闘争をしていたスカルノ大統領は、支持基盤の拡大のためにインドネシア共産党を取り込みます。
当時は貧困層、労働者や農民に共産党が人気があったのですね。
…ところが
1965年に軍のトップ6人が暗殺される事件が起きました。「9.30事件」です。
理由は6人は共産党と組んでクーデターを企てたと発表されています。
その後、その下の地位にいた「スハルト」(ややこしいですが、スカルノではありません…)が軍を掌握。
そして治安回復という大義名分により、スハルトは権力基盤が強くなっていくのです。
その後1966年にスハルトはスカルノとの権力闘争を勝ちとり、最終的にはスハルトは大統領にまで上り詰めます。
つまり、この暗殺事件はスハルトのクーデターだったんじゃないか?と未だに論争になっているのです。
しかし、この話には続きがあります。
大統領になったスハルトは、共産党を支持していた国民の粛清を始めるのです。
「お前は共産主義者だ!」と決めつけ、新聞メディアもこれに加担。本当に共産主義者かデタラメなのかわからないのに、共産主義の村として新聞に載せたのです…
どこかで聞いた話のような?そう、これは以前の日記でも触れた「赤狩り(共産主義狩り)」です。
亡くなられた国民、その数なんと100万人とも言われます。
※まさに独立後のインドネシアの凄惨さがわかる映画です・・・
しかし、こんなに多くの人間を軍だけで粛清したのかと言うと、そういうワケではなかったのですね…
スハルトは職のない若者や不満分子を取りこみ、愛国集団として粛清を実行させたのです。つまり国民が国民を狩る、という異常な状況に・・・
言ってしまえば、政府公認のよく言うと治安部隊、悪く言うと暴力装置となって行ったのです。
しかも驚くべき事に、その集団は今もなお存在します。
それも300万人もいるとこ事。日本で置き換えると、チンピラが政府公認の自警団(実際にはいませんが)に近いそうです。
しかも当時の国際社会は、民主主義と共産主義の対立がありました。
共産主義は主に欧米で恐れられていたので、批判は少なかったのです。
実際に当時、米国もスハルト・インドネシア政府に加担していたんですね。米国は米軍を太平洋に置きたがり、多くの環太平洋の国々は米軍の駐留を認めたのですが、スカルノ大統領はこれを拒否。
やはり囁かれるのは、米国との関係を招いたスカルノ大統領の結果がこういった歴史を招いたとも言われます。
真相は闇の中なのでしょうか・・・・・・・
数年前のEPAの影響で、インドネシアの方は日本でも身近な存在となっていますよね。
案外インドネシアには、こういった恐ろしい歴史があるのですね…
※参考日記
・靖国神社でテロ? インドネシアの歴史と様々な参拝者(http://forest-jiji-daiary.blog.so-net.ne.jp/2015-11-24)
・映画:ハリウッドの映画への自主規制(ヘイズコード)の背景・・・白人・キリスト教の優位社会(http://forest-jiji-daiary.blog.so-net.ne.jp/2015-10-21)
・感動映画:ジムキャリー主演のマジェスティックから見える、戦後米国の映画事情・・・(http://forest-jiji-daiary.blog.so-net.ne.jp/2015-10-19)
・ハリウッドでユダヤ系がなぜ大きくなったのか? 米国映画史を考えてみると・・(http://forest-jiji-daiary.blog.so-net.ne.jp/2015-08-22)
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人気ブログランキングへ ありがとうございました! また、お越しください!
ご訪問&ナイスありがとうございます。。。
by ぽんもぐ (2015-11-27 12:29)
歴史の真実とは、隠せることではないはずなのですけど、都合の悪い事実を隠そうとする勢力と言うのでしょうか、「不幸が続くことの苦痛」から逃げられない市民が、「語らない」事で「平穏」を導き出したいと言う「真実を追究しない」言葉にならない沈黙が続くのは、不幸過ぎる過酷さを感じますね。 貴重な記事に感謝します。 また、わざわざご訪問下さってコメントまで頂戴しました。 ありがとう感謝します。
http://sample2014.blog.so-net.ne.jp/SameSexMarriage?#comm201511270426
by Ujiki.oO (2015-11-27 18:22)
Ujikiさん、こちらこそありがとうございます!
歴史はある意味で為政者が作っていくものでもある、とは思いますが…
その考えに固執し過ぎると、陰謀論みたいになっちゃいますので難しいです;
Ujikiさんの日記いつも楽しみにしていますよ!
by フォレスト (2015-11-27 22:44)
大変勉強になります。ありがとうございました。
by JUNKO (2015-11-28 20:06)